『ジョン・レノン&オノ・ヨーコ プレイボーイ・インタヴュー1980完全版』
1980年9月、アルバム『ダブル・ファンタジー』の発売を前に、ジョン・レノンとオノ・ヨーコは『プレイボーイ』誌のため3週間にわたって取材を受けました。その全貌が新たな書籍『ALL WE ARE SAYING: The Last Major Interview with John Lennon and Yoko Ono』となり、日本版『ジョン・レノン&オノ・ヨーコ プレイボーイ・インタヴュー1980完全版』ができました。12月8日発売です。
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当時24歳だったフリーランスのライター、デヴィッド・シェフは『プレイボーイ』誌の依頼でジョンとヨーコに取材。これが音楽活動を再開したジョンとヨーコの最初の露出になると思っていたところ、『ニューズウィーク』がすっぱ抜き、その埋め合わせとしてビートルズ時代を含むジョンの楽曲解説が加わることになったのでした(本書の第3部に詳しく書かれています)。
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このインタビューは『プレイボーイ』に掲載されたのち、81年に書籍化。日本では『ジョン・レノン PLAYBOYインタビュー』のタイトルで出ました(装丁は横尾忠則さん)。90年には構成を変えた長尺版『ジョンとヨーコ ラスト・インタビュー』が発売(翻訳は映画字幕で定評のある石田泰子さん)。海外で出た20周年版などの邦訳は出版されず、40周年にあたって著者が新たな序文を付けた2020年版が30年ぶりの日本語版です。それが新訳(翻訳:山川真理)で発売されました。訳注はお初の読者にも古参の読者にも役に立つでしょう。
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1冊の本ができるほど、語りに語ったジョンとヨーコ。新作のプロモーションに留まらず、沈黙の5年間、ジョンとヨーコの出会いから結婚生活、別居生活、子育て、生い立ち、ビートルズのメンバーや仲間たちと、話題は多岐にわたります。
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シンシア・レノンが1988年のドキュメンタリー映画『イマジン』で「傷つきました」と話していたジョンのサタデー・ナイト・スペシャル発言など、おいおい言っちゃっていいのか(載せちゃうけど大丈夫か)と思うような話も含まれます。剥き出しのジョンとヨーコを受け止めてください。これが1980年に『プレイボーイ』に話したことのすべてです。
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目次は原書どおり非常にシンプルなので、店頭で立ち読みできる場合は索引をご覧ください。曲名や人名を見ているだけでも「あ、あの曲も?」「お、この人も!」と前のめりになります。楽曲は他の歌手に提供した曲も含まれます。
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原書の表紙には1969年の写真が使われていますが、日本版は1980年の写真にしました。ソフトカバーに分類されますが、仮フランス装というもので、ハードカバーほど重くなく普通のソフトカバーより高級感のある装丁です。手触りのよさもお確かめください。
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デヴィッド・シェフはこの大仕事から2年後に父親となり、自慢の息子ニック・シェフは今では脚本家として活躍していますが、一時は薬物問題を抱えていました。父シェフは息子が依存症を克服するまでの実録を『ビューティフル・ボーイ』という本に著し、映画化もされました。劇中で「ビューティフル・ボーイ」が印象的に使われています。『ダブル・ファンタジー』と『プレイボーイ』の物語はまだ続いているのです。
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from 淡路和子
『ジョン・レノン&オノ・ヨーコ プレイボーイ・インタヴュー1980完全版』
2020年12月8日発売
発行/シンコーミュージック・エンタテイメント
本体2,700円
A5判 408ページ
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