文藝別冊『キャロル・キング』 心に響く音楽を紡ぎ続けるシンガー・ソングライターの半生と音楽活動のすべて
1960年代にすでにソングライターとして一時代を築き、70年代からはシンガー・ソングライターとして時代の先端を駆け抜け、21世紀に入っても輝かしい成功を収め続けているキャロル・キング。現代のポップ・ミュージック、シンガー・ソングライターの祖として、その評価はますます高まっています。その作品と人生をまとめ、魅力を語り尽くすムック、文藝別冊『キャロル・キング』が発売となりました。
巻頭グラビアではキャロルの『つづれおり』期から2016年のハイド・パーク公演まで、16ページを使ってカラー写真でたどります。第3章にある「すごいぞ! キャロル・キング」の証拠的な面もあります。
第1章は「キャロルを語る」。キャロルの参加を得てデビュー・アルバムをLAでレコーディングした五輪真弓さん。ゴフィン&キングから曲作りにも影響を受けているという伊藤銀次さん。そして、キャロルの歌を通じて海の向こうの動きを感じ取り勇気づけられたという作家の落合恵子さん。お三方がそれぞれキャロルの音楽との接点から魅力を語ります。
第2章は「キャロル・キングの半生」。その足跡を10の時代に区切り、音楽シーンに残した記録や音楽作品の全貌を写真で概観します。年譜は巻末に掲載。
第3章「探求」では、キャロルの音楽の魅力を5つのテーマで解説。キャロルのルーツとなった音楽は、キャロル自伝を翻訳しながら本に登場する曲の音源を集めていたという松田ようこさんが執筆。続いてキャロルとビートルズ、アメリカン・ポップスの歴史、日本、そして記録をもとに功績を検証する「すごいぞ! キャロル・キング」です。
第4章は「名曲物語」。作曲家時代の各時代の代表曲の収録盤や、自作自演時代のベスト盤を紹介しつつ、15曲をそれぞれ掘り下げて紹介しています。前半「ウィル・ユー・ラヴ・ミー・トゥモロー」「ロコモーション」「ナチュラル・ウーマン」などの執筆は小川真一さん。後半「イッツ・トゥー・レイト」「君の友だち」「ラヴ・メイクス・ザ・ワールド」などの執筆は天辰保文さん。
第5章「作品」では、キャロル・キングの全オリジナル・アルバムとライブ・アルバムを解説。執筆は金澤寿和さんと渡辺亨さん。トリビュート・アルバムや、映像作品、ミュージカル『ビューティフル』も紹介しています。
キャロルは2012年に『キャロル・キング自伝 ナチュラル・ウーマン』を発表。翌年にはその自伝をもとにしたミュージカル『ビューティフル』が幕を開けました。トニー賞、ローレンス・オリヴィエ賞を受賞し、オリジナル・キャストのアルバムはグラミー賞を獲得し、ブロードウェイとロンドンでロングランを続けています。全米ツアー、全英ツアーに続き、2017年7月26日〜8月26日には日本キャストによって上演されます。
文藝別冊『キャロル・キング』
2017年6月13日発売
発行:河出書房新社
本体1,300円
A5判、192ページ
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