ジョージ・ハリスン製作総指揮、映画『ウィズネイルと僕』再上映
ジョージ・ハリスンが設立した製作会社ハンドメイド・フィルムズの映画『ウィズネイルと僕』が、日本で23年ぶりに劇場公開されています。1991年に東京・吉祥寺の映画館バウスシアターの配給で限定的に上映されたきりビデオも未発売でしたが、同館の閉館にあたり縁のある作品として再上映、続いて全国各地でも上映されることになりました。
物語の舞台は69年のイギリス。ロンドンで同居する売れない役者のウィズネイルと僕が、息抜きのつもりで出かけた田舎で直面するハプニングを描いています。
脚本と監督をつとめたブルース・ロビンソンの半自伝的作品と言われ、メジャー映画のような結論のある物語ではありませんが、それでもスリリングでおかしくて危なくて、ダメダメな二人がだんだんかわいく思えてきます。実際のロビンソンは俳優をあきらめ、『キリング・フィールド』(84年)の脚本を手がけ、『ウィズネイルと僕』で初監督。次にはやはりハンドメイド・フィルムズの映画『広告業界で成功する方法』(89年)の脚本と監督をつとめます。
劇中、ビートルズのジョージ作品である「ホワイル・マイ・ギター・ジェントリー・ウィープス」(原曲)の一部が使われています。音楽にはほかにキング・カーティスによる「青い影」、ジミ・ヘンドリックス・エクスペリエンスの「見張り塔からずっと」「ブードゥー・チャイル」など。ウィズネイルと僕の不在中ロンドンの部屋に勝手に住み込んでいた男がマントラのような歌を唱えるところもジョージを連想させます。
スペシャル・プロダクション・コンサルタントとしてリチャード・スターキー(リンゴ・スター)が名を連ねているので、エンドロールにも注目を。
シェリーなど買って帰ってパンフレットを読んで復習しよう。ハンドメイド・フィルムズ作品の公開が続くことを願いつつ。
from 淡路和子
ウィズネイルと僕(WITHNAIL AND I)
1987年イギリス/製作総指揮:ジョージ・ハリスン、デニス・オブライエン/監督・脚本ブルース・ロビンソン/主演リチャード・E・グラント、ポール・マッギャン
2014年5月3日~5月31日/東京・吉祥寺バウスシアターで上映
以降全国順次公開(東京・六本木、大阪、名古屋、札幌、金沢ほか)
*フィルム上映とデジタル上映で日本語字幕が異なります
パンフレット:2014年5月3日発行(700円)
公式サイト:w-and-i.com/
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