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2013年12月16日 (月)

大人のロック!特別編集『ザ・ビートルズ サウンド革命の全貌』

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特集本編「サウンド革命の全貌」は、プロローグ、パート1「誰がサウンド革命を準備したのか?」、パート2「サウンド革命の舞台を探る」、パート3「ビートルズのサウンド革命とはなにか?」の4部構成です。
 
なにやら難しそうなタイトルですが、発想(人)・スタジオ・サウンド創り(技術の限界に挑戦)という3つの切り口から、これまであいまいなままに語られてきた「ビートルズのサウンド革命」の実態をわかりやすく整理してみました。
 
プロローグでは、ビートルズを語りはじめたら止まらなくなってしまう杉真理さんと松尾清憲さんのおふたりに、「ビートルズ・マジックに魅せられて」というテーマで、ビートルズの音作りの革新性についてわかりやすく解説していただきました。また、「丘の上の賢者は知っている」(淡路和子)では、アビイ・ロードでビートルズのレコーディングの場を独占取材したふたりの日本人の偉業についてまとめています。
 
パート1「誰がサウンド革命を準備したのか?」(矢吹渉)では、レコーディングで果たしたジョン、ポール、ジョージ、リンゴ、さらにはプロデューサー、エンジニアなどの役割を具体的な作品に即して検証しています。
 
パート2「サウンド革命の舞台を探る」(山川真理)では、アビイ・ロード・スタジオをの3つのスタジオでのレコーディングを中心に、ビートルズが使用したすべてのスタジオについて、そこで録音された作品をあげながら解説しています。
 
パート3「ビートルズのサウンド革命とはなにか?」(矢吹渉)では、アビイ・ロード・スタジオでの録音経験を持つ川原伸司さんと山田ノブマサさんによる「伝統と開発、保守と革新 スタジオでの冒険の日々」と題し、ビートルズのサウンド革命の内実を分かりやすく解説してもらいました。そして、機材の変化、さらにはビートルズがバンドの枠組みをこえてサウンド革命に挑戦して行く姿を、イラストなどを交えながら時代を追って分かりやすく整理しています。
 
ほかに「ビートルズ・マジックを聴く」という4つのコラム(木屋もとみさん)もあって、そこでは「分析」ではなく「感性」から、ビートルズの楽曲がくれる感動や喜びに潜むビートルズ・マジックが浮き彫りにされています。
 
私はプロローグで、「ビートルズ革命の両輪としてのサウンド革命と社会革命」というテーマで、ビートルズ革命のなかでサウンド革命の占める位置について少し考えてみました。とても大きなテーマなので、今後も考えていきたいと思います。
 
ほかにも関連特集として、Vol.2が発売されたばかりのBBCラジオ音源を検証した特集が巻頭を飾っています。このアルバムの注目ポント、BBC録音のトリビア、カバー曲分析、番組解説、おしゃべり分析から音源発掘史まで多彩な内容です。

また、かつて『大人のロック!』に掲載された関連する2本の特集(「ビートルズ・ソングの謎」「70年代ソロ・ソング対決」)も掲載されています。
 
文/広田寛治

大人のロック!特別編集『ザ・ビートルズ サウンド革命の全貌』
発行:日経BP社
2013 年12月16日発売
本体1,200円

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コメント

>「ビートルズ・マジックを聴く」という4つのコラム

Dizzy Miss Lizzyに関する木屋もとみさんのコメントが面白かったです。僕も中学生・高校生の頃、アルバム「Help!」の最後にあの曲が入っているのは、どうも嫌でした。木屋さんと同じように針を上げました。でも大人になってからは考え方が変わりました。最後に今までの雰囲気をぶち壊すからこそビートルズらしいんです!

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