『プロデューサー ジョージ・マーティン~ビートルズを完成させた男~』 PRODUCED BY GEORGE MARTIN
ドキュメンタリー『プロデューサー ジョージ・マーティン~ビートルズを完成させた男~(PRODUCED BY GEORGE MARTIN)』がTOHOシネマズで公開(10月13日から19日までレイトショー)。ジョージ・マーティンが85歳を迎えた2011年にBBCテレビで放送されたものです。
http://wardrecords.com/movie/
マーティンのプロデュース作品を集大成した『ジョージ・マーティン・ボックス』(ハイライト盤は『ジョージ・マーティン・プロダクションズ』)も原題は『PRODUCED BY GEORGE MARTIN』でした。その映像版とも言えますが、ドキュメンタリーでは音楽作品だけでなくマーティン自身の生い立ちにも焦点を当てています。
ポール・マッカートニーやリンゴ・スターとも戦時中の思い出を語り合ったりしていて、ぜいたくなキャスティングだなあと思って観ていましたが、中盤にはしっかりビートルズのエピソードも細かに披露されます。
なにしろ映像がめずらしくて、大きなスクリーンでも身を乗り出すこともたびたび。1950年代のレコード制作現場が見られたり、ご存命なのかと驚く人が登場したり(失礼)、火山噴火で閉鎖されたモンセラット島のエア・スタジオの在りし日の映像が使われていたり。
全編で流れる音楽はすべてマーティンがプロデュースした作品。ポールやリンゴのほか、シラ・ブラック、ジェフ・ベック、ジョン・マクラフリン、アメリカのデューイ・バネル、ジミー・ウェッブなど、そしてもちろんパーロフォン・レーベルの秘書だったジュディ夫人もが出演しています。
息子のジャイルズ・マーティンが聞き手をつとめているあたり、作り方はメアリー・マッカートニーが父ポールにインタビューしていた『ウイングスパン』に通じるところも。
会話の端々で聞かれるイギリスらしいユーモアも聞きどころ。アルバム『レット・イット・ビー』のプロデューサーであるフィル・スペクターに関するエピソードも、とっさにうまいことを言うなあと思ったのですが、これにはサー・ジョージの顔は笑ってませんでした。
日本でもDVDやブルーレイで発売されるでしょうから、細部をじっくり見直したい作品です。
おうちで鑑賞するときはジョージ・マーティンのレシピによるマティーニなど一緒にどうぞ。
【2012/11/18追記】
日本盤のDVDとブルーレイは2013年1月23日発売予定です。約52分の特典映像が収録されます。ワードレコーズの通信販売サイトに詳細が掲載されました。
http://wardrecords.com
from 淡路和子
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